EC業界における「CPI」とは?その意味と内容を解説

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スマートフォンやPCでのアプリを運営していく上で、計測していく必要のある指標として、「CPI」があります。この記事では、CPIの意味から計算方法、さらにはその重要性に至るまで、他のマーケティング指標との関係性にも触れながら解説していきます。

1. CPIとは何か?

「CPI」と書かれた紙と計算機が置かれたデスクのクローズアップ写真

まずは、そもそもCPIとは何なのかについて見ていきましょう。

1-1. CPIの定義

CPIとはCost Per Installの略で、文字通り「アプリインストールあたりのコスト」を意味する専門用語であり、 アプリのマーケティング効果を測定する際の重要な指標となります。 具体的には、広告を通じてアプリがインストールされるたびに発生する費用の平均値を指し、 この数値を把握することで、広告キャンペーンのコストパフォーマンスを評価することが可能です。

1-2. EC業界でのCPIの重要性

EC業界におけるCPIの重要性は、マーケティングの成果を具体的な数値で把握する上で、中心的な役割を果たします。 特にECアプリの普及に伴い、ユーザー一人ひとりがアプリをダウンロードする際のコストを知ることは、 マーケティング予算の効率的な配分を決定するために不可欠です。 この指標を見て目指すべき目標は、CPIを低減させることです。 CPIを下げることができれば、広告のリーチやインパクトを最大化しつつ、支出を抑えることに直結します。 また、競合他社とのCPIを比較することで、市場における自社の立ち位置を把握し、 戦略的な意思決定を行うための基準とすることも可能です。

2. CPIの計算方法

2-1. CPIの公式

CPIは、以下の公式から数値を出すことができます。 CPI = 総広告費 ÷ インストール数 総広告費をその広告によって獲得したインストール数で割ることで求められます。 この計算を通じて、1インストールあたりにどれだけの広告費がかかっているのかを明確にすることができるのです。

2-2. 必要なデータ

【総広告費】 広告を配信するために支払った総額を含めます。 これには、ディスプレイ広告、ソーシャルメディア広告、検索エンジン広告など、 あらゆるチャネルの費用が含まれることが重要です。 【インストール数】 広告を見たユーザーが実際にアプリをダウンロードした回数を指します。 この数値を正確に把握するためには、 アプリストアのダッシュボードやアナリティクスツールを活用することが一般的です。 広告のクリック数やインプレッション数も参考になりますが、CPI計算の直接的な要素ではありません。 正確なCPIを算出することで、広告のROI(投資対効果)を評価し、 マーケティング予算の効率的な配分を行うことが可能になります。

3. CPIを下げる戦略

EC業界を含む様々な業界のCPIベンチマークを示すコンピューターモニター上のグラフ

「1-2. EC業界でのCPIの重要性」でお伝えしたように、CPIをいかに効率よく下げるかが重要です。 では、どのようにすればCPIを下げることができるのかを見ていきましょう。

3-1. ターゲティングの最適化

ターゲットユーザーを精密に絞り込むことで、広告の無駄遣いを防ぎ、 より関心の高い顧客層にリーチすることが可能になります。 例えば、年齢層、性別、趣味嗜好などのデモグラフィック情報を基にターゲットを設定し、 さらに購買履歴やウェブ上の行動パターンを分析することで、ターゲットの精度を高めることができます。 これにより、広告のクリック率やインストール率が向上し、結果としてCPIを下げることに繋がるのです。 ブランドイメージを守るためにも、最適なターゲティングができるよう設定しましょう。

3-2. 広告のA/Bテスト

CPIを抑えるためのもう一つの有効な手段が、広告のA/Bテストです。 これは、異なる広告バージョンを同時に配信し、どちらがより高いパフォーマンスを発揮するかを比較する方法です。 例えば、異なるキャッチコピー、ビジュアル、コールトゥアクション(CTA)を用いた広告をテストし、 クリック率やコンバージョン率が高いものを選定します。 このプロセスを繰り返すことで、最も効果的な広告要素を見極め、CPIを最適化することが可能です。

4. CPIの業界平均とベンチマーク

4-1. 業界平均値

自社のCPIを把握しても、その数値が高いのか低いのか判別できません。 そのため、他社のCPIを把握し、平均値を知ることは、自社のマーケティング戦略を練る上で非常に重要です。

4-2. ベンチマークの設定

業界平均値を知るには、まず競合他社などの同じ業界にいる会社を設定しなければなりません。 ベンチマークを設定する際には、同業他社のデータだけでなく、 自社の過去の実績や市場のトレンドも考慮に入れることが重要です。 また、ベンチマークは定期的に見直しを行い、最新の市場状況に即した戦略を立てることも必要になります。

5. CPIと他の指標との関係

CPI管理を通じてECビジネスの成長を象徴する上昇傾向の成功グラフ

CPIは単独で見るよりも他の指標と組み合わせることで、その真価を発揮します。

5-1. CPIとCPA(Cost Per Acquisition)

EC業界におけるマーケティング指標として、CPIとCPA(Cost Per Acquisition)はしばしば言及されますが、 これらはどのように異なるのでしょうか。 CPIはアプリやソフトウェアのインストール一つあたりにかかるコストを指し、 広告キャンペーンの効果を測定する際に必要な指標ですが、 CPAは顧客が商品を購入したりサービスにサインアップするなど、特定のアクションを完了した際のコストを示します。 つまり、CPIはダウンロード数に焦点を当てるのに対し、CPAは収益に直結する行動を重視します。 EC業界においては、CPIはアプリの普及度を把握するために用いられることが多く、 CPAはROI(Return on Investment)を最適化するための戦略立案に役立てられます。 両指標を適切に分析し、組み合わせることで、より効率的なマーケティング戦略を展開することが可能になります。

5-2. CPIとLTV(Life Time Value)

ユーザーの生涯価値(LTV)という視点を組み合わせることという視点もあります。 LTVは顧客が生涯にわたってあなたのビジネスにもたらす利益の総額を指し、 CPIと併せて考えることで、長期的な顧客関係の構築と利益最大化を目指すことができます。 例えば、初期のインストールコストが高くても、その顧客が継続して高いLTVを持つ場合、 高CPIを正当化することが可能です。 逆に、低いLTVを持つ顧客に対しては、CPIを抑えることがコスト効率を高める鍵となります。 したがって、CPIを単独で追求するのではなく、顧客の獲得から維持、 さらにはロイヤリティの構築に至るまでの中長期な視点で最適化を図るという視点も持っておきべきです。

まとめ

CPIを下げることが重要だとご説明しましたが、 アプリ運用において、それだけが全てではありません。 せっかくCPIを限界まで下げてインストール数が増えても、ユーザーには継続的に利用してもらわないといけません。 つまり、CPIだけではなく、LTVなどと絡めて分析/検証していく必要があるということです。 この視点を忘れずに、アプリ運用、そして広告を回していただけると幸いです。

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